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2011年3月31日木曜日

年度末ということで

震災の影響で普段にもまして更新が滞ってしまいました。

12月には特に1年を振り返らなかったので、この3月には、今年度のことを振り返ってみました。反省すべきポイントもあり、良かったポイントもありました。

HFSPとJSTにお世話になっている謝辞の意味も込めて、平成22年度のこの2つのプロジェクトについて少しまとめてみました。

HFSP共同研究としては、
5月はトレントで全員で顔合わせし、初めての会議。わたしは共同研究における遺伝学担当で、いろいろな株を作りました。蛍光タンパク質を酵母内で発現させる株がメインですが、改良に次ぐ改良で、なかなかうまく作れないときもありました。それでも今は研究員のかたの尽力でかなり進んできたと思います。自分一人ではここまで出来ません。「研究は一人でやるものではない」ということを、研究員さんの活躍をみるたびに、また海外の共同研究者との会議のたびに実感します。6月には、ケンブリッジ大学を訪問。11月にはインドのKeralaで開催されたHFSP meetingに参加。そして、11月下旬には東京で会議を開きました。トレントとケンブリッジから皆集合し、夜遅くまで会議、会議、、、。最後は東京観光でしめくくりました。うまくおもてなしできたでしょうか? 主催者側としていちばん大変だったのは食事でしたね。外国人の好みとか食制限があるので。そこは海外に住んでいたときの経験でなんとかクリアできました。楽しかったですね。またやりたい、また皆に日本に来てもらって、会議と余興で楽しみたいと思いました。久しぶりに欧州スタイルの研究を思い出すことが出来ました。

JSTさきがけ研究としては、
JSTの事務の方から研究者の仲間に至るまでお世話になりました。とても有意義な1年でした。領域会議は9月に神戸、12月に東京・本郷で行いました。9月の領域会議では理研CDBの見学もありました。CDBに行くのは初めてではないですが、今回は笹井先生による見学ツアーでした。行くたびに理研CDBのサイエンスに関する底力のすごさを見せつけられます。同じライフサイエンスを研究しているのに、まったく違う研究スタイルなので驚かされます。研究の中身が違うのは十人十色ですから当たり前ですが、なんかもう戦略というか、研究のスケールというか、思想そのものが完全に違う世界。個人レベルの研究ではなく、国家レベルというか。本当にすごいなと思いました。iPS細胞もそうですが、国家レベルで特定の研究分野をサポートすることの必要性が強まってきていると言われています。サポートというよりも、積極的な推進が。ただし、これには賛否両論あるところだと思います。12月の領域会議では白金台の東大医科研を見学しました。所内の正門近くに博物館コーナーがあり、野口英世が勤務していたこともあるという、歴史的資料を誰もが見ることが出来ます。1995年に私が大学院入試説明会のため初めて医科研を訪れたときとは白金台・医科研の雰囲気もだいぶ変わりました。肝心の領域会議では、領域総括の中西重忠先生から激励のお言葉をいただいたことは本当に励みになりました。今年度もっとも影響の大きいお言葉でした。中西先生はいつも「研究の世界がこれから将来どうあるべきか」を熱く語ってくださるのがとても印象的です。微小管の細胞周期における形態変化、ぜひライフワークにしたいところです。

明日から新年度です。

山本研究室にももうすぐ新4年生が研究室配属されます。
どの研究室に配属されるとしても、じっくりと年間通して実験、研究するというのはこれが初めてのことで、とまどいも大きいことでしょう。急ぐ必要はなく、着実に基礎を固めて欲しいと思います。

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