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2010年8月17日火曜日

イタリア・トレント大学

お盆休みをとってました。暑いですね。


さて、イタリアのトレント大学です。
私の印象では、トレントは学生の街だと思ったくらい、学生の大群が駅から出てきてバスに向かう風景がみられました。意外とこの光景はイタリアで見たことがなかったので、とても新鮮でした。

トレントの町は歩いて回れるほどの小さな町なので、大学もそんなに遠くないかな、と思っていたのですが、実際わたしが訪れたトレント大学の研究所は町から外れた郊外にありました。距離的にはそんなに遠くないのですが、研究所は山の上にあるので、車で向かってもくねくねと山道をのぼっていく必要があります。

着いたところは、すっかり小高い山の中腹。こんな山の上に研究所があったなんて、、、。
(実際には山の上にある研究所は数多く存在します)
周囲の景色や山岳風景はすばらしいものでした。ある意味辺鄙なところですけれども、こういうところで研究すると、いいアイデアが浮かんだりするのかな、という気がしました。


写真が、The Microsoft Research - University of Trento, Centre for Computational and Systems Biology (CoSBi) です(トレント大学 マイクロソフト・コンピューターシステム生物学研究所とでも訳せばいい?)。さすがイタリア。まるでThermeの建物か?というムードでしょう。Thermeといってもピンと来ないかもしれませんが、平たく言えば欧州の温泉(スパ)施設です。まわりの美しい景色にとてもなじんでいて、やっぱり、「さすがイタリア」。研究所がこういう外観なのっていいですよね。中はまだ真新しく、機能的な研究所です。Centre for Computational and Systems Biologyということですから、生物を飼育して実験するような(いわゆるウエットな)研究施設ではなく、計算機による生物現象のモデリングとシステム解析をおこなう(いわゆるドライな)研究所です。オフィスのように整然と、だがきわめてイタリアン・スタイルで優雅にまとめられていました。美的にとても秀逸です。

これが研究所の窓から見える風景。いいでしょう? 同じ欧州の「山の上」にある研究所EMBL(ドイツ)のように、山の上にぽつんと研究所が一つあるだけなのとは違って、周囲にはリストランテ、ピッツェリア、民家など、結構あります。これは大学があるから当然といえば当然かもしれませんが。共同研究者Attilaの研究室がこちらにあります。

肝心の会議ですが、今回もきわめて高度な「概念的」なdiscussionをおこないました。概念的な議論ってどんなのか、それを例を出して説明するのは難しいのですが、日本の研究室でよくある議論が「現実的」な実験方法や実験計画について議論し、実験結果の善し悪しについて議論するのに対して、欧州では哲学的な部分から入っていくことが多いです。まず「我々が明らかにするべき興味はどこにあり、生命システムはどのようになっているのか?」についてさんざん語り合い、それが煮詰まったところで、じゃあ具体的にはどうやって実験すればいいんだ?というところで終わるようなやり方です。あまりうまく説明できてませんし、あくまでも一例ですが、雰囲気が伝わればと思います。今回の共同研究会議には、UCL (University College London)のJürg Bähler博士にもアドバイザーとして参加していただき、意見をいただきました。食事などして、いろいろ意見交換をするのも醍醐味です。私があんまり英語を理解していないのが情けないですが、昼飯にでっかいピザを食べながら、日英の大学システムについて意見をかわしました。

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