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2010年12月21日火曜日

JSTの菊地さんが本を出版されました

さきがけが何なのかあまり説明してなかったですが、
科学技術振興機構(JST)という独立行政法人が出している研究者への助成金のなかに、「さきがけ」というものがあります。

国が選定する科学技術政策にあった研究領域を設定し、その領域に選ばれた若手研究者に助成金が出されます。たとえば、私が参加するのは「生命システムの動作原理と基盤技術」という領域でして、3年間の研究期間が与えられ、その中で研究を推進し、結果を出していきます。とてもこんな短い文章では「さきがけが何か」を説明することはできませんが、興味のある若い大学院生、大学生、高校生はJSTの「さきがけ」のwebsiteを見てみて下さい。私はさきがけを既に2年終えているので、残りはあと1年なのですが、さきがけに所属していられる間に、自分の目線から見た「さきがけの良さ」をここで書いておく必要があると感じています。

今日は、それが目的ではなくて、そのさきがけ「生命システムの動作原理と基盤技術」領域でお世話になっているJSTの技術参事である菊地俊郎さんが本をお書きになりました、というお話です。
タイトルは、院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド」(講談社・ブルーバックス)です。


私も早速読みました。
とても生々しいなコレ!!(笑)
博士余り時代を生き抜く処方箋、という副題も、「高学歴ワーキングプアにならないために今、やるべきことは?」っていう帯も、業界の人にとってはかなり刺激的です。

自分のことを例にとって考えると、学部生や大学院生になったばかりのときというのは、あまり具体的に「ポスドク研究員になろう」とか考える人は少ないのかもしれません。漠然と、研究をやっていられたらいいな、と思ってはいても、具体的にその身分がどういうものなのか、どういう職場があるのか、研究費はどこから与えられるのか、何も知らないまま研究をはじめる人も少なくないはずです。

それは自分の例ですが(苦笑)、そういう大学院生時代にこの本を読んでいたら、もっと具体的な研究者像というものを描くことができたし、どういうところに注意しなければいけないのか、もっと心構えができたはずだと思います。そう言う意味で、特に若い大学院生くらいのかたにおすすめしたいと思います。

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ちなみに、私は科研費などという言葉を知らずにポスドク研究員になったくらいです。自分はこういった反省?を踏まえて、その辺も同じ研究室の大学院生さんに伝えていきたいです。経験を伝えることしかできませんから。

日本は科学と技術で生き残るしかないといわれる一方で、「理系離れ」の時代とも言われてます。この本を読んでひとりでも多くの人がサバイバルしてくれればと思います。自分も含めて。時間があればこの辺も私感を書いていこうかと思います。

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