大学生が放射性同位元素(RI)を使用するためには、講義と実習を受けて、放射線取扱者として公式に認定されなければいけません。
これまで放射性同位元素というと、学生のあいだでも単に怖いので触りたくないとか、あるいはあまり興味がないという意見が多かったように思います。ですから放射線に関する講義とかも、興味がないけど認定されるために聴講する、という程度のひとが多かったのではないでしょうか?
しかし、昨年3月の震災によって生じた原発事故と放射能漏れの問題があり、震災以降は放射線のことを実生活に結びつけて真剣に考える人や、放射線に興味を持つ人が増えてきたように思います。と同時に、放射線に対して過剰反応を起こす人も出ているため(周囲の学生にはいないようですが)、やっぱり正しい知識と感覚をもつことが大切だという王道の結論になります。実際の講義では放射線生物学を専門とする先生が、現在の放射線量が我々の生活に与える影響はどれくらいなのか、ということも交えてわかりやすく解説してくれました。
個人的な希望ですが、もっと小中高校とかで基礎的な理科教育がなされていれば良かったのに、と思います。理系万歳とは言いません。私も学校では文系科目のほうが好きでしたし理科はあまり得意ではありませんでした。この震災・事故をきっかけとして、放射線教育、理工系の教育を見直していこうという動きが出て欲しいなと思います。
事故があったからというわけではないでしょうが、前述の講師いわく、今後は学校でも「霧箱」という、簡単な放射線に関する実験が行われるようになったそうです。放射線を「見る」ことができる実験です。今回も先生方が霧箱を見せてくださいましたが、確かに見えないものを議論するより、見せることで関心を高めるのは中学高校の授業では重要だと思います。このような実験をとおして、理系の人が増えてくれればいい、という個人的希望を持ちました。
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